辛丑(かのとうし)─ 終わりと始まり ─

在宅介護終わりました。私の場合は『こんなでした』をご参考までに。

自宅で亡くなる(2)警察署から自宅へ、そして湯灌の儀

警察から自宅までは◆◆葬儀社の車(寝台車)で。
マンションなので事前に寝台がエレベーターに入るよう管理人さんにお願いしておいた。

◆◆葬儀社の担当者はNさん。
早速葬儀の段取り。
日程の関係で翌々日に通夜、その次の日に葬儀となる。
それまで母は自宅の仏間に安置しておくこととなった。

「葬儀は家族だけでいい」と日頃から言っていた母の言葉もあり、市営の斎場の一番小さい部屋をお願いした。数日後の葬儀なので小さいところが空いていた。
市営斎場にはいくつか部屋があるが、最近は小さなところから埋まっていくそうだ。
コロナ禍でもあり、家族葬で送られるところが多い。昔のように100名単位で弔問客がというのはまずない。それなのに市営斎場は現実的でないと言うか、大きな部屋ばかりで…。
Nさんは「葬儀は予約しておくということが出来ません。小さいところが取れずに一番大きいお部屋でご家族数名だけで送られる場合もあります」とのこと。
うーん、家族葬はこれからも増えていくだろうから、市の方も現状に即した部屋割りに変更すべきだと思う。

亡くなった数時間後には葬儀のスケジュールを決めないといけない。 
気が動転しているし、わからないことだらけで半ば“葬儀社のいいなり”になりがち。
安いのか、高いのか、判断がつかない。
「ちょっとお待ちください、調べてみます」なんていう時間も気力もないので、提示されたものに「はい、それでお願いします」というしかない。

自分の意思で選んだのは遺影写真の額の色くらいかもしれない。
あ、それと供花。
でもそれも選択肢は少なくて、選んだうちに入らないか。
後から考えて、
『これは要らなかった』
『これは高い』
と思うものもある。

でもとにかく葬儀の日程は迫っているので決めないといけない。
父の葬儀もやっているので二度目の経験だけれども、何回やっても慣れないだろう。
昔は大家族だったし、近所付き合いも多かったから、いろんなことをよく知っている人が必ず一人はいてその人に聞けば『何でもわかる』って感じだったが、今は聞く人も無しってとこか。

◆◆葬儀社のNさんとの打ち合わせが終わった頃、湯灌の儀を行うスタッフさんが到着した。
ベッドほどの大きさの簡易プールのようなものを持って来られた。
ちょっと驚いたが、スタッフの方は「大丈夫です。お母様の横にもう一枚お布団を敷くスペースがあれば十分です」
そういえば警察署で湯灌の手配をお願いした時にスペースのことを尋ねられたっけ。

父の時は病院で亡くなったので、病院で執り行ってそれから自宅にという段取りだったので自宅での湯灌の儀は初めてだった。
いや、感心するほど手際がよかった。

末期の水で口を湿らせ、家族で顔を拭いてから後は湯灌師の女性2名にお任せした。
装束は母のお気に入りの薄ピンクのブラウスにしてもらった。
1時間後、お化粧もして綺麗になった母と対面した。

【明細】
■ 寝台料金(I警察署から自宅まで)19,800円
■ 湯灌の儀 71,500円
ドライアイス5,500円×3=16,500円
■ 綿花(ドライ処置時1回分)2,750円×3=8,250円
■ 浄香セット3,300円×2=6,600円

寝台料金はこんなものなのか…。すごく高いと思った。
湯灌の儀もとても高いが、人数、道具を考えると致し方なし。出来栄えに家族も納得したので。
ドライアイス、綿花、浄香セットは高い!ご家庭によっては浄香セットをお願いしなくてもいいかもしれない。例えば前に使ったのがある、とか。
葬儀社で買う線香とかは高いです。特に渦巻線香とか。ただ近所で気軽に買えるものではないので。
渦巻線香は葬儀後四十九日まで使うものです。うちは葬儀社に頼まずネットで追加注文。

葬儀社を通すとなんでも高いですが、『サービス料込み』ですから。
それで納得できる値段なら適正価格かと思います。